人形たちの住まう館、このたび特別に扉を開きました。
もし興味を持っていただけたなら、彼らの言葉を聴きに行ってください。
しかしながら館の人形たちは全員が精神異常者、そこだけはご理解いただきますように。
では、いってらっしゃいませ。

館にいるのは、私が創り出したグラウンドパペットたち。
彼らは私が抱えている問題を理解できる形に表すツール、自分自身の精神異常と向き合うためのもの。
対して佐倉さんのところのパペットたちも自分や 周りの行動と思想を理解するために存在しています。


 庭園を通り抜けて館の扉を開くと、真っ黒なタカが一羽迎えた。
それは目の前で黒く長い髪に金の右目と銀の左目、黒い和服を纏った背の高い男の姿になった。


クロタカ「ようこそ!客が来るって聞いてそれからずっとここで待ってたんだ、俺はクロタカ。
     えーとえーと、ソービョーのジュートクカンジャだって周りは言ってるけど、
     何のことかは知らない!それよりも、鳥の姿に化けるからフリスビーで遊んで!」

 そう言うが早いか、人の詩型から鳥の姿になった彼を、
奥から現れた茶色いおかっぱ頭で茶色い和服を着た可愛らしい小柄な少女が抱き上げた。


雛「クロタカ、早速お客さん見つけたんだ。始めまして、私は雛って言うの。
 ここに来てすぐの頃は誰かと一緒にいないと不安で仕方なかった。
 でも、私とクロタカはお互いを通してだいぶ良くなったみたい。
 私とクロタカ以外にグラウンドパペットは4人いるけど、会えるかどうかはみんなの気分次第なの。
 それと、屋敷の中も庭も自由に歩き回っていいって伝言を預かって来たの。どうぞ好きに探してね。」

 まずは庭を探すことに決めて、1人で庭を散策した。中庭のポピーが咲いている花壇で
深い緑色のシャツとズボン姿の銀色の髪とグレーの瞳のジョウロを手にした少年を見つけた。

王蟲「いらっしゃい。僕は王蟲と言います。以前は、人との関わり方がまったく分からなくて
   人を避けていました。今はそれを理解して、実践している最中です。
   ここでは、僕と茨野が庭の手入れをしています。この時間、彼は裏庭のほうにいると思います。」

 裏庭に向かう道を教えてもらって、その方向に進んだ。
その先に、途方にくれた表情でオリーブの木にもたれている黒い髪の少年を見つけた。
その少年は赤色の装飾が施された黒い服を着ていて、こちらに気付いて真紅の目をこちらに向けた。


茨野「誰だ?…ああ、客が来るだろうってみんな言ってたの、貴方のことか。
   名前は茨野、昔病気にかかって、腕の悪い庭師に燃やされたんだ。
   それ以来体中に火傷の痕が残ってるし、火なんか大嫌い。
   今はまだ、何をしたらいいのかも分からずにここにいる。」

 一度館に戻って、階段の踊り場に目をやると、紫色がかった黒髪に紫色の目、
黒いゴシック調の服に身を包んだ少女が立っていた。

 

宵闇「やっと見つけてくれたのね、私は宵闇。
   今の私は自分の痛みも他者の痛みも分からなくなって、人と関わることができなくなっているの。
   今は、きっと思い出せると信じてここで過ごしているの。」

 まだ話をしていない相手は1人だけ。なんとなく図書館にいるような気がして、館の最上階の図書館を目指した。
開いている扉から中に入ると、十段以上ある高い本棚の上に上っている、黒髪に黒ずんだ赤の目の深い赤色のロングコートを着込んだ青年と目が合った。


鮎斗「グラウンドパペットの最後の1人、鮎斗だ。
   オレは鮎斗のアニムスで、オレにとって鮎子はアニマ。オレも鮎子もアダルトチルドレンだ。
   オレはロンリーとスケープゴート、鮎子はリトル・ナースとプラケーター。
   お互いに依存しあってバランスをとっている状態だ。」
   グラウンドパペット全員から話を聞いて、気になった者はいましたか?
答えが返ってくるかは分かりませんが、気軽に話しかけてみてください。
   
作者コメント


私が持っているグラウンドパペットについての文章です。
意味としては地面、及びその下にあるもののイメージで、私自身が意識の奥底に持っている問題と向き合うためのものです。
それぞれが私の精神異常を投影し、彼らは精神異常を克服できたら私の元から離れて行きたい場所へと向かっていきます。

マインド パペット
Cheers!
ラズリパイドさん
 
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